芭蕉(バナナ)の話と・・

朝夕の涼しさ、空や植物からはすっかり秋、北からは冬将軍の便りも聞こえてくるのに、今だ日中は暑く、なかなか衣替えができぬままですが、皆さんどうされていますか?

こんにちは。土曜日・フラワー/ホームフラワー担当の大場です。

さて突然ですが、バナナはどのように生えているかご存じですか?

大きな木のように見えますが、実は「株」なんですね。

主、花をつける「母株」、母株に寄り添うように大きな葉を携えている「娘株」、そして、次世代へとつながる新芽(「孫株」)。

それで、親子三世代を示しているとも言われています。

この写真は壺活けなので孫株は壺の中ですが、実際に土に生えているバナナを見ると、確かに孫株が何株もニョキニョキと出ているものもありますよ。

共に活けているのは、カンナ。
カンナの漢名は「蘭蕉(らんしょう)」。
花が蘭、葉が芭蕉の葉に似ていることからつけられたのでしょうね。

らんしょう、「濫觴」.....共に活けているのは、カンナ。
カンナの漢名は「蘭蕉(らんしょう)」。
花が蘭、葉が芭蕉の葉に似ていることからつけられたのでしょうね。

らんしょう:「蘭蕉」=「濫觴」にかけて......

言葉遊びのように思われますが、季節や行事に合わせて花や飾り等をその場にふさわしくしつらえる時は特に、お祝いの心や感謝の気持ちを言葉物に託した盛物で表現したりします。

菖蒲(しょうぶ)=尚武とか……

物には各々意味があります。

もうひとつ、これは、還暦のお祝いです。
還暦のお祝いになぜ蟹が?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

還暦のお祝いのことを「華甲の祝い」とも言います。
”華”という字は”十”が6つと1つの”一”から成り立っていて”61”を表しています。
”甲”は甲子(きのえね)で十干十二支の最初。
というところから、還暦と同じく数え年で61歳をを表すようになったのです。

そこで、61本の、不老長寿を表す菊で作った菊玉と、甲=蟹で、還暦を表しています。

11月は七五三。
千歳飴の横に柿。
”柿”は「嘉来」の字を当てて、”喜び来る”を表します。


※バナナ、華甲、七五三の写真はともに全て、先日池袋・自由学園にて行われた「年中行事の室礼展」で担当させて頂いた盛物の一部です。

「和」ブームといえども、古からの文化やしきたりが見えにくくなってきているような感じがします。
秋の夜長、行事や通過儀礼の意味を見直してみてはいかがでしょう?


季節の変わり目、くれぐれも皆さまお体ご自愛下さいね。

おまけ:

10月23日(日)葛西市場まつりに”くまモン”が参加。
老若男女、大人気でした! 
キレキレのダンスも見事でした。