植物 地球を支える仲間たち

フラワーネット代表 藤井晶子です。
先日、上野にある国立科学博物館で開催されている
特別展 「植物 地球を支える仲間たち」を見てきました。

久しぶりの上野は、駅もとてもきれいになっていて、雨でしたが、とても良い時間を過ごすことができました。
この展示会は、事前予約制で、平日の朝一番でしたので、館内はすいており、ゆっくりと安心して見て回ることができ、とっても楽しかったです。
9月20日まで開催中!おススメです!


以下、公式のパンレットやホームページに掲載されている文章を抜粋しますね。

「光合成という、太陽エネルギーから有機物を作り出す能力を手に入れたことで、地球上の生命にとって、なくてはならない存在となった植物。
私たち人間と同じ原始的な生命体から進化し、今や地球上の多種多様な環境に生育する最も成功している生物群と言えます。 ともすれば動物と違い、じっとしていて動きのないイメージがありますが、最先端の科学研究によって、私たちの想像を超えるアクティブな生態が明らかになってきました。」



植物は光合成をすることで、自ら有機物を作り出せるようになり、食料を探し回ったり、動き回る必要がなくなりましたが、代わりに暑さ寒さ、植食動物の出現などの周りの環境からは逃げられなくなり、その環境でいかに生きていくかという進化を続けてきました。そしてそれが本当に多種多様で、驚かされます。
そんなことをたくさん学べ、感じることができる植物展でした。


ここで、少しだけ紹介して、感想を書こうと思います。

 

食虫植物

ハエトリソウなどのように、虫を捕まえ、溶かして、栄養分を吸い取る…
そんな食虫植物があります。ちょっと怖いですよね…
動けない植物が、どうやって虫をとらえることができるのでしょうか?その仕組みなどを、大きな模型で紹介していました。
でも、なぜ虫から栄養をとるのでしょうか?
地球上には、植物の生育に適した栄養豊富で適度な水分がある土地だけとは限らず、栄養分が不足している土地や、根からの吸収が難しい土地があります。そんな環境でも生きていく為…なんですね。
 

大きすぎる花

世界最大の花「ラフレシア」
なんと花の直径が111㎝の記録を持っているそうです。模型がおいてありましたが、こんな花が咲いているのかと思うと・・・不思議の国のアリスの世界ですよね。
ボルネオ島マレーシア領に分布するこの花は、なんと寄生植物だそう。
葉緑体を持たず、光合成をおこなわないため、他の植物に寄生して、栄養分を吸収する寄生植物なのです。こんな大きな花に寄生される植物も、大変ですね(笑)

煙突!?

そしてもう一つ、巨大な花「ショクダイオオコンンニャク」
なんと高さ2.72メートル。もちろんこれは模型ですが・・見上げるほど大きいです。
花は中央の煙突のような肉穂花序と、それを囲む仏炎苞からなっていてい、まるでろうそくの燭台のよう。肉穂花序の最下部に雄花、その上に、雌花がぎっしり。悪臭を放ち、「世界で最も醜い花」といわれます。
花序は一か月ほどでぐんぐん成長しkらもうもうと湯気が出てきて生ごみのような悪臭が強烈に。腐った肉を食べる甲虫の仲間を、受粉の為におびき寄せる為、花が腐った肉に擬態したと考えられているそうです。
すごいですね・・・
巨大化したメカニズムはわかっていないそうですが、煙突のような形で遠くまでにおいをまき散らす為ではないかと。

怖い植物!?

植物は、風や水、動物などの力を借りて、種子や果実を新たな地へ運び、繁殖しようとします。その中でも動物に付着して散布するものがありますが、
これはすごい!踏みつけると長いツノ状の突起が足に突き刺さる果実、下手すれば怪我をするような凶暴な形状のものがあるそうです。
「ライオンゴロシの果実」と書いてありました~ 怖い怖い!
確かにすごい形ですよね。

寒くても大丈夫~

地球上にはどこに行っても植物がありますよね。
乾燥地にも、南極にも、水中や激流の中にも、土の中に埋まっている植物もあるそうです。それぞれの場所で生き延びるすべを持っている植物たち、あぁなるほど~という驚きの工夫があります。
寒い高山にもこんな植物がいるそうです。
「ボンボリトウヒレン」ヒマラヤに分布。
半透明の苞葉が頭花を包んでいて、外気温よりも苞葉の内部があたたかくなるため、「温室植物」と呼ばれています。自ら温室を作っちゃったのですね。
ほかにもヒマラヤの高山では、体の多くが毛で覆われる「セーター植物」がいるそうですよ。

キャベツって賢い!

虫を呼んだり、虫を追い出したり…賢い!

キャベツは虫が嫌うカラシ油という物質を体内に蓄積して食べられないようにしていますが、モンシロチョウの幼虫のアオムシは、キャベツを餌にして成長します。するとアオムシに食べられたキャベツは、特別の香りを出して、アオムシを殺す寄生バチを呼び寄せ、アオムシの駆除を行うそうです。
さらに、キャベツは自分を食べる虫の種類によって異なるブレンドの香りを放出し、今食べている虫の天敵を呼び寄せることもできるらしいのです。
 
ほんの一部ですが、面白かったところをいくつかご紹介しました!

植物は光合成のおかげで動く必要がなくなりましたが、日々変化する周囲の環境を敏感に感じ取るため、様々な感覚を必要としています。
動物のような眼や耳、鼻といった感覚器官はもっていませんが、個々の細胞や身体全体が、光を感じる視覚、音や振動を感じる聴覚触覚、化学物質を感じとる嗅覚味覚をはじめとして、温度、重力、時間感覚などをもち、敏感に環境変化を感じ取ることができ、その感覚は人間に匹敵するものも多いとか・・・。

とにかく、植物の力強さを感じますね。

コロナ禍で、思うようにいかない日々が続きますが、私たちも植物のように柔軟にその環境に適応する力が必要ですね。植物のように力強く、色々なことに負けずに頑張らなくてはいけないと思う一日でした。

9月20日まで開催していますので、
興味が湧いた方も、植物から元気をもらいたい方も、ぜひいらしてみてください!
このほかにも、遺伝子の話、植物の化石、光合成についてなどなど、たくさんのことが学べますよ~

https://plants.exhibit.jp/